====== 世界三大料理 ======
世界三大料理(英: The Three Grand Cuisines)とは、
世界でも代表的な料理、として、伝統的には
**フランス料理
トルコ料理
中華料理**
を指します。
※特に順位は存在せず
ただし、上の伝統的な定義は歴史的・文化的な要素を含め、主に欧州の料理研究家などにより昔から言われてきたものであるため、現代の世界的な知名度や評価とは必ずしも一致しない、とのことです。
味で世界の代表、などと決めるのは国、民族ごとの好みの差などが大きいので、あくまでこの世界三大料理は、料理の背景として、宮廷料理などで出されたりしていて、格式が高い伝統的なもの、のような基準で選ばれたようです。
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===== フランス料理 =====
フランス料理(フランスりょうり フランス語: Cuisine française)は、フランスで発祥した食文化および調理技術であるが、フランスという全国名義で一括されるものではなく、フランスの各地域に存在している郷土食文化の総称としての定義が強調されている。現代では世界三大料理の一つに数えられている。2010年にフレンチガストロノミー(フランス美食学)はユネスコの無形文化遺産に登録された。
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===== 中世 =====
中世フランス料理は宮廷内限定の食文化であった。まだ明確な作法は存在しておらず、給仕においても特に規則性の無い雑多なメニューが次々と、あるいは一斉にテーブルに並べられていた。食肉は加熱調理された後に厚くスライスされてマスタード風味の濃厚なソースで味付けされることが多かったようである。食器の使用も稀であったようで、硬い平板状のパンが皿として用いられていた。ナイフやフォークの使用も一般的でなく直接手づかみで食べるのが普通だった。スープやシチューはテーブルにある専用のくぼみに注がれ、それらはパンに浸すか、直接手のひらで器用にすくって飲んでいたという。中世フランス料理の代表的なシェフはギヨーム・ティレルであり、14世紀に活躍した彼のレシピをまとめたとされる「Viandier(フランス語版)」は一部に後世の創作が疑われるものの、現在に繋がるフランス料理の源流に位置付けられている。
===== 現代(20世紀) =====
1930年代に入ると大戦間期の三大シェフと言われるフェルナン・ポワン、アレクサンドル・デュメーヌ、アンドレ・ピックらが、エスコフィエの料理体系を受け継ぎながらも、更に時代に合わせた形へと進化させていった。1960年代になると、エスコフィエの料理体系から素朴な家庭料理や郷土料理の数多くが取り残されているという問題点が指摘されるようになり、従来の高級料理一辺倒のイメージ払拭を兼ねて、カントリーサイドに焦点を当てたフランス料理本来の姿を全世界に紹介しようとする運動が始められた。その中では郷土料理文化の積極的アピールと、それを体験させるためのガストロノミーツアー(美食旅行)が数多く企画されてミシェランガイドなどが大きな役割を果たした。1970年代になると、伝統的なソースによる濃厚な味付けをあえて避けるようにして新鮮な素材主体の風味を活かそうとする調理技法が、ポワンの弟子であるボキューズ、シャペル、トロワグロ兄弟たちを中心にして指向されるようになり、これは「ヌーベルキュイジーヌ(新生料理)」と呼ばれてフランス料理の新たな潮流になった。1980年代半ばになると、濃厚なソースを重視する古典回帰の調理技術が見直されてオートキュイジーヌに代表される伝統的な料理様式が改めて支持されるようになった。その中で伝統技術と現代科学技術をミックスさせようとする調理技法も誕生し、ロブション、ガニェール、デュカス、ロワゾーといったシェフたちが担い手になった。現在もシェフたちによる新しい調理技法の探求は続けられており、古典重視の保守性と自由で柔軟な前衛性を持ち合わせたフランス料理文化は終わりのない進化の様相を呈している。
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===== トルコ料理 =====
トルコ料理(トルコりょうり)は、トルコのトルコ民族の郷土料理であり、世界三大料理の一つである。
定義として、
・中央アジアの食文化である羊を中心とした肉料理である。
・ヨーグルトやナッツ類を料理として使う。
・黒海、地中海などの海産物を利用する。
・冷菜には地中海周辺で取れるオリーブ・オイルを使用する(温菜にはバターが好まれる)
・アラビア周辺から広がった小麦粉とアジアの主食である米の両方を使う。
など、東西の食文化を融合させた多彩な素材・味・調理法を持つことが挙げられる。
トルコの国内でも地域ごとに異なる特徴をもつ郷土料理もあり、例えば、北部黒海沿岸地域ではトウモロコシやアンチョビをよく使い、南東部ではトウガラシの風味が強いケバブ類を発展させており、西部では、特産のオリーブ・オイルの風味を活かした料理が多く、中央部の中央アナトリア地方では、パスタ料理が名高い。
トルコの伝統料理ケシケキ(麦1カップ、鶏ささみ肉2~3本を裂き、水たっぷりに、塩を入れた麦粥を潰し、そこに30~50gのこがしバターをかけた物)は、ユネスコの無形文化遺産に登録されている。
肉類は鶏肉の他牛肉や羊肉を使うのが一般的である。また味付けには砂糖も使う場合がある。
トルコ料理は、中央アジアに広がるトルコ民族の伝統料理の要素と、ギリシャ、グルジア、シリア地方の料理の要素とが混ざり合って独特の発展を遂げた。トルコ民族は、中央アジアからアナトリア半島へ移動した歴史があり、また、14世紀から20世紀の初めまではオスマン帝国として地中海周辺を支配していたため、これらの地域の料理と影響し合った。
トルコを含め、バルカン半島、ギリシア、レバノン、イスラエル、エジプト、チュニジアなど地中海東部地域の国々はおおむね共通した料理をもっているが、それでもトルコ料理の影響はギリシャ料理、レバノン料理、ブルガリア料理、ルーマニア料理などに顕著である。またその影響は周辺のアラビア半島などのオスマン帝国が支配した地域にとどまらず、北アフリカ(モロッコ料理など)やロシアの料理、ハンガリー料理、近年ではトルコ系移民の多いイギリス、ドイツにまで及んでいる。
トルコ料理の魅力は、多様な歴史と文化が融合した豊かな味わいにあります。以下にその特徴と魅力を紹介します。
1. 多様な食材と料理法
トルコ料理は、新鮮な野菜、ハーブ、スパイス、肉、魚介類を豊富に使用します。地域ごとに特色があり、バラエティに富んだ料理が楽しめます。例えば、海沿いの地域では魚介類を中心にした料理が多く、内陸部では肉料理が中心です (Map Freak)。
2. 歴史と文化の融合
トルコは、東西文化の交差点に位置し、オスマン帝国時代には広大な領土を持っていました。このため、ペルシャ、アラビア、ギリシャ、バルカン半島の影響を受けた多様な料理が存在します。これにより、トルコ料理は多文化的な要素を取り入れた豊かなバリエーションを持っています 。
3. 健康的な食材と調理法
トルコ料理では、オリーブオイルが広く使われ、新鮮な野菜やハーブがふんだんに使われます。また、グリルや煮込みなどの調理法が主流で、油っぽくない健康的な料理が多いです。これは地中海料理の特徴でもあり、健康志向の人々にも好まれます 。
4. スイーツとデザート
トルコのスイーツも非常に魅力的です。特に有名なのが「バクラヴァ」で、ナッツを詰めたパイ生地にシロップをかけた甘いデザートです。また、「トルコアイス」(ドンドゥルマ)は、独特の粘り気があり、特別な体験となります 。
5. ユニークな飲み物
トルコには、トルココーヒーやチャイ(紅茶)、アイラン(ヨーグルトドリンク)など、特徴的な飲み物があります。トルココーヒーは細かく挽いたコーヒー豆を煮出して作り、濃厚な味わいが楽しめます。チャイは、トルコの文化に深く根付いた飲み物で、日常的に飲まれます 。
6. 地域ごとの特色
トルコ国内でも、地域ごとに料理の特色があります。例えば、イスタンブールでは魚料理が豊富で、アナトリア地方では肉料理が中心です。また、エーゲ海地方ではオリーブオイルを多用したヘルシーな料理が特徴です (Map Freak) 。
トルコ料理は、多様な歴史と文化、豊富な食材、健康的な調理法、魅力的なスイーツとデザート、ユニークな飲み物、そして地域ごとの特色が融合した豊かな料理です。この多様性とバランスの取れた味わいが、トルコ料理の魅力を一層引き立てています。
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===== 中華料理 =====
中華料理(ちゅうかりょうり、簡体字中国語: 中国菜、拼音: Zhōngguó cài〈ジョングオツァイ〉、繁体字中国語: 中華料理、粤語: 中華飲食)は、中華人民共和国(中国)をはじめとする中華圏で食べられてきた料理、または、その食材や調理法、調味料を使用して作られた料理の総称。
世界三大料理の一つに挙げられて、海外でも広く食されている。多彩であり、中国大陸では各地域の風土に合わせた料理が発達した。
==== 食材と調味料の多様性 ====
中国の国土面積はロシアを除くヨーロッパ全体に匹敵するほど広く、各地方の気候や産物、習慣の違いによりそれぞれの食文化が形成された。また、歴代王朝で漢民族に同化・支配された諸民族、もしくは漢民族を支配した異民族は料理の豊富さをさらに進めた。野菜は食用となる植物ほぼ全てが使われ、食肉も豚、牛、羊、山羊のほか鳥類(鶏、家鴨・鴨、鵝)など多様である。魚介類は、海に面する広東省、福建省、山東省などを除いて、淡水魚をメインとする地域が多い。
==== 熱いうちに食べる習慣 ====
現在の中華料理の「火を通した熱い食事を取る」原型は南宋時代(1127 - 1297年)で一気に完成したとされる。宋王朝以降の中国では、強い火力を用いることがますます重視され、中華鍋を使い、日本料理や西洋料理に比べて、食用油(ラードやごま油など)を多用する炒め物が多いという傾向がある。逆に生野菜の使用や冷たい料理は少なく、伝統的な料理では涼麺や粉皮、杏仁豆腐程度である。中国文化においては飲料水においても冷たい水は好まれず、茶や白湯、常温で提供される。
==== 歴史 ====
古代の中華料理は現在とはかなり異なっていた。煮込み、直火焼き、羹(あつもの)が多く、主にすたれた膾(刺身のような生肉・生魚の料理)もよく食べられており、「羹に懲りて膾を吹く」「人口に膾炙(かいしゃ)する(「炙」は直火焼きの焼肉)」など、古代中国由来のことわざ・慣用句にも窺うことができる。古代の中華料理については『斉民要術』が詳しい。
現在の中華料理で頻用される強い火力が必要な炒め物の調理法は、北宋の時代で一気に発展した。元々は石炭を加工した骸炭(コークス)が磁器の製作に使用されていて、それが料理用の炉やかまど、鉄鍋などに転用される事によって生み出されたものである。以後、南宋から元王朝にかけて炒め物が普及した。また同じ頃から、木版印刷の発展により料理本・レシピ集も多数出版されるようになった。
16世紀の明王朝の時から、世界各地の食材や調味料も積極的に取り入れて消化・応用し、独自料理を作り出して進化していった。麻婆豆腐の唐辛子や、青椒肉絲のピーマンなどは中華料理に欠かせない食材となっているが、中国に伝わったのは歴史的な背景からすれば外国から導入された食材である。広東料理には欠かせないオイスターソースは19世紀末に開発され20世紀に入ってから普及したもので、福建料理や広東料理でよく使われるサテソースはインドネシアやマレーシアから伝わった調味料を取り入れたものである。